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>知は次の行動を導く為のものである眼差すことは相手に照準を定めていることを意味し次の瞬間の攻撃を予告する動物たちは他者から眼差されることを不快に思いそれを攻撃同様のものと捉えるが人間も同様である >その理論的構造がカンブリア紀から遥か5億年を下った紀元後1900年代のフランスの哲学者サルトルによって解明されることになる彼は人間関係の本質を眼差しの相克であるとしメドゥーサの眼差しによって人間が石化するギリシア神話に譬えている >地獄とは他人のことだ此の世は地獄であるが其れは他人が居るからであるサルトルは眼差しを向け続けることで互いに永遠に傷つけ合う人間同士の戦いを暗いビジョンを持って描き出している >人間の眼は三葉虫の様な複眼ではなく明るく鮮明な像が作れる水晶体眼であった此の眼の精度はやがてサバンナの彼方に獲物や敵を見分け優れた石器を作り巨石を組み合わせた建築物を建て更には精緻な工芸品を生み出し明晰な文明を造っていく >そしてそれらを駆動させる人間の知もまた恐ろしいまでに対象を見つめ考え抜く極めて高感度なこの水晶体眼によって着実に築かれていくことになるのである