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無念Nameとしあき25/12/12(金)16:45:52No.1372525822+ 13日00:33頃消えます
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
削除された記事が9件あります.見る
1無念Nameとしあき25/12/12(金)16:46:59No.1372525994+
スレッドを立てた人によって削除されました
タンロン死ね
2無念Nameとしあき25/12/12(金)16:47:45No.1372526111+
□名作ものアニメとは
□名作ものアニメの歴史
□世界名作劇場の定義
□瑞鷹と日アニについて
□その後の瑞鷹
□その後の日アニ
■『アルプスの少女ハイジ』
■『フランダースの犬』
■『母をたずねて三千里』
■『あらいぐまラスカル』
■『ペリーヌ物語』
■『赤毛のアン』
□「世界名作劇場大全」について
■『トム・ソーヤーの冒険』
3無念Nameとしあき25/12/12(金)16:47:56No.1372526133+
■『家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ』
■『南の虹のルーシー』
■『アルプス物語 わたしのアンネット』
■『牧場の少女カトリ』
■『小公女セーラ』
■『愛少女ポリアンナ物語』
□「フジテレビの変化」について
■『愛の若草物語』
■『小公子セディ』
■『ピーターパンの冒険』
■『私のあしながおじさん』
■『トラップ一家物語』
■『大草原の小さな天使ブッシュベイビー』
4無念Nameとしあき25/12/12(金)16:48:04No.1372526155+
■『若草物語 ナンとジョー先生』
■『七つの海のティコ』
■『ロミオの青い空』
■『名犬ラッシー』
■『家なき子レミ』
□1997年から2007年までの間
■『レ・ミゼラブル 少女コゼット』
■『ポルフィの長い旅』
■『こんにちはアン Before Green Gables』
□etc
5無念Nameとしあき25/12/12(金)16:48:27No.1372526224+
■名作ものアニメとは

まず、「名作ものアニメ」とは何たるかについて説明する。
「名作アニメ」と称すことが主流なようだが、個人的な便宜性から以降「名作ものアニメ」と称する。
「名作ものアニメ」とは、文字通り“名作”と呼ばれる物語を題材としたアニメ作品のことである。
“名作”とはいっても、その範囲は幅広い。
一般的な認識としては、「世界名作全集」といった類いの叢書や、「青い鳥文庫」などの小・中学生向けの文庫本シリーズに取り上げられてるような近現代の小説が挙げられるだろう。
その他、名作ものアニメとしてジャンル分けされるような作品には、民話や童話、伝記、ファンタジー小説、ミステリー小説を原作としたものも含まれる。
6無念Nameとしあき25/12/12(金)16:48:44No.1372526276+
しかし、中には「名作もの」として扱われながら、どこらへんが「名作」なのかと問いかけるような作品もある。
そう、原作が存在しない作品、原作がありつつも実質的にオリジナルと化した作品、そもそも原作が名作かどうかですら怪しい作品までもあるのだ。
にも関わらず、それらが「名作もの」として認知されるのは何故だろうか。
それは「名作ものアニメ」というジャンルが定着したことによって伴われた、そのジャンル特有の作品要素に倣ったものであるためなのだ。

その作品要素をいくつか挙げるとするならば、以下の通りとなる,
7無念Nameとしあき25/12/12(金)16:49:23No.1372526377+
◆年代設定の古い現実的世界を舞台とする。
(特に19世紀から20世紀前半期頃の欧米圏)
◆生活描写や人間ドラマに根差した物語となっている。
以下の二系統に大分。
◇現実的世界における丹念な生活描写や人間ドラマに根差し た物語となっている
(『ハイジ』系の名作アニメ)
◇擬人化された動物が登場するなどのメルヘン色がありなが ら、生活描写や人間ドラマに根差した物語となっている (『ムーミン』系の名作アニメ)
◆「家族愛」や「母と子」といった家族関係にまつわるテーマが見られる。
また、それに関連して主人公には離別・死別した両親・片親がいたりする。
8無念Nameとしあき25/12/12(金)16:49:47No.1372526434+
◆主人公の傍らには動物のお供がいる。
物語の展開上、明らかに必要なさそうな場合でもいる。
◆貧乏人や孤児といった社会的弱者にスポットがあたる。
◆キャラクターの画風が線の少ない柔和なものとなっている 。
《初期の東映作品やジブリ作品を彷彿とさせるようなもの。》
◆良心的作品として喧伝されている。
◆悲哀や感涙を促すウェットに富んだ演出が見られる。
◆リアリズムを意図したローテンポな演出が見られる。

原作の如何を問わずして、これらの要素を複数持った作品を「名作もの」として括ることが多い。
9無念Nameとしあき25/12/12(金)16:50:06No.1372526479+
■名作ものアニメの歴史
では何故、名作ものアニメがこうした独自の特徴を有するに至ったのだろうか。
そのきっかけは『ムーミン』と『アルプスの少女ハイジ』にあった。
この両作こそが、名作ものアニメの草分け的存在であったのだ。
そのためにも、名作ものアニメの歴史を簡単に説明しよう
10無念Nameとしあき25/12/12(金)16:50:17No.1372526515+
まず、日本のアニメ史において、(テレビアニメにおける)名作ものアニメの先駆けとなったのが『新宝島』だ。
ロバート・ルイス・スティーブンソンの「宝島」を原作とする、虫プロダクションが制作した作品である。
これは1965年にCX 系列で単発のアニメとして放送されたもので、日本初のテレビスペシャル用アニメ作品でもあった。
この作品は手塚治虫氏が直に演出を手掛けており、「宝島」の登場人物を擬人化した動物キャラに置き換えたことに大きな特徴を持っていた。
この時点で名作ものアニメの特色の一つ、メルヘン色のある一面を伺える。
11無念Nameとしあき25/12/12(金)16:50:26No.1372526547+
しかし、これはまだ「名作ものアニメ」という括りとして出されたものとは違った。
これは毎月1回ごとに1時間アニメを放映するという、「虫プロランド」シリーズの企画の第1弾として出されたものである《※》。
つまり、「ジブリアニメ」や「ディズニーアニメ」という括りがあるように、これもまた「虫プロアニメ」という一つのジャンルから出されたものだったのだ。
そう、たまたま“名作”を原作としていただけなのである。
12無念Nameとしあき25/12/12(金)16:50:38No.1372526576+
《※ 当初は全26作品構成であったシリーズ。
その中には、「ジャングル大帝」や「リボンの騎士」などといった手塚漫画のアニメ化も企図されていた。
しかし、結局シリーズ化されることはなく第1弾のまま終えてしまったのだ。
ちなみに、手塚漫画にも「新宝島」という題の作品があるが、アニメの『新宝島』とは直接関係のないものである。》
13無念Nameとしあき25/12/12(金)16:50:54No.1372526622+
ちなみに、テレビアニメ以外の作品となると、そこでは「名作もの」の定義の難しさに突き当たる。
『新宝島』以前にも、先述した意味でいう“名作”を原作とするアニメ作品はいくつもあった。
特に有名なのが東映動画が製作していた、『白蛇伝』(1958)や『西遊記』(1960)、『アラビアンナイト シンドバッドの冒険』(1962)といった長篇作品であろう。
まだ、漫画産業の前夜だった時代に原作となる作品を探そうと思うなら、“名作”に行き着くのは当然の流れであった。
東映動画は現在も「東映アニメーション」として存続している、国内最古のアニメプロダクションである。
しかし、“名作”を題材とした作品の歴史はそれよりも古い。
その一部を列挙すると、『一寸法師』(1956)、『うかれバイオリン』(1955)、『セロひきのゴーシュ』(1949)、『なぐや姫』(1942)、『カチカチ山』(1940)などがある。
14無念Nameとしあき25/12/12(金)16:50:57No.1372526633+
スレッドを立てた人によって削除されました
独演会は他所でやれ
15無念Nameとしあき25/12/12(金)16:51:06No.1372526659+
そして、現在確認できる中で最古のものとなれば、1917年5月に浅草オペラ館で公開された『猿蟹合戦』にまで至る。
これは北山清太郎《※》が手掛けた、日本最古級となるアニメ作品の一つでもあるのだ。


《※ 下川凹天、寺内純一と並ぶ日本アニメの先駆者の一人。
日本初となるアニメ専門スタジオ「北山映画製作所」を設立したが、関東大震災によってスタジオごと全壊してしまった。
後進として後に東映動画を牽引していくことになる山本善次郎を輩出した。》
16無念Nameとしあき25/12/12(金)16:51:23No.1372526701+
見ても分かるとおり、“名作”とは言っても、東映動画設立以前の時代においてはほぼ「童話」や「民話」のことを意味していたのだ。
そして、それら「名作ものアニメ」の原型とも言うべき作品群は、アニメの一ジャンルとは言い難いものがあった。
そう、オリジナルアニメ以外の原作つきアニメはほぼ“名作”を題材にしたものであったからだ。
ロボットやスポ根といったジャンルの分化すら、進んでいなかった時代なので当然である。
アニメ黎明期の時代においては、アニメというのは「開拓」か「教育」かというのを目的に制作されていた時代だったのだ。
「開拓」とは新しい芸術と新しい市場へ可能性を求めた純然たる挑戦のこと。
そして、「教育」とは戦時下のプロパガンダも含めた子供たちへの情操教育のことである。

このように、“名作”という言葉が曖昧なゆえに、「名作ものアニメ」の歴史を語るには常に煩雑さが伴うのだ。
17無念Nameとしあき25/12/12(金)16:51:34No.1372526730+
さて、ここで話を戻すとしよう。
『新宝島』より、しばらくして1969年。
テレビアニメにおいて名作ものアニメの第一号として放映されたのが『ムーミン』(1969年版)である。
フィンランドの作家トーベ・ヤンソン氏の児童小説「ムーミン」シリーズを原作とするもので、実質的に名作ものアニメの礎を築いたとされる作品である。
そのため、「名作アニメ」や「名作劇場」という括りにおいて、その記念すべき第一作目として同作を挙げることが多いのだ。
先駆けにすぎなかった『新宝島』はまずカウントされない。
『ムーミン』は瑞鷹エンタープライズの企画のもと《※1》、第26話までは東京ムービー《※2》、それ以降は虫プロダクションによって制作された。
放映時間帯は後に世界名作劇場シリーズが収まることとなる、CX系列日曜19時半枠。
同作は今までになかったメルヘンと日常劇の掛け合わせという内容が視聴者に受け、大ヒットすることとなった。
18無念Nameとしあき25/12/12(金)16:51:44No.1372526757+
《※1 実は『ムーミン』をやる以前に、フランスの出版社テレアチットから「タンタンの冒険」のアニメ化を持ち掛けられたことがある。
また、「ムーミン」の対案には永井豪原作の「ハレンチ学園」のアニメ化案が挙がっていた。さすがにそれはスポンサーのカルピス食品が良しとしなかった。》

《※2 当初から2クール契約だったらしく、『ルパン三世』の制作に入るために途中降板した。
これに関して原作者からクレームを突きつけられたために東京ムービーは降板したのだと言われてる。
しかし、実際にはそれは企画側が制作会社の変更による混乱を収めるために使われた表向きの理由とのことらしい。》
19無念Nameとしあき25/12/12(金)16:52:20No.1372526877+
書き込みをした人によって削除されました
20無念Nameとしあき25/12/12(金)16:52:50No.1372526950+
その影響を受け、以後CX系列を中心にメルヘン色の濃いアニメが増えていったのだ。
『昆虫物語 みなしごハッチ』(1970)《※》、『アンデルセン物語』(1971)、『かしの木モック』(1972)、『山ねずみロッキーチャック』(1973)といったように。
1960年代後半から1970年代にかけ、アニメ作品が急速な多様化を迎えていた中、メルヘン路線の名作ものアニメが定着していったのである。
そこには高度経済成長期という激変した時代にあって、現実離れした「癒し」が求められていたからなのだろう。
また、当時のアニメ・特撮には暴力的なシーンが多かったため、大人からも子供に教育上安心して観させられる作品であるとして支持を得たというのも大きい。
21無念Nameとしあき25/12/12(金)16:53:01No.1372526982+
《※ 竜の子プロダクションによるオリジナルアニメ。
名目上、「原作」としてクレジットされてる吉田竜夫氏は同社の社長および創業者である。
しかし、「母と子」というテーマを前面に押し出していることなどから、名作ものアニメに含むことが多い。》
22無念Nameとしあき25/12/12(金)16:53:29No.1372527059+
スレ画のかーちゃんの変貌ぶりに引いたやつ
23無念Nameとしあき25/12/12(金)16:53:45No.1372527095+
このメルヘン路線だった名作ものアニメに転機が訪れたのが1974年。
そう、『アルプスの少女ハイジ』がその年に放映されたのだ。
『ハイジ』はそれまでになかった新しい形の名作ものアニメとして登場し、アニメ業界に衝撃を走らせた。
それは、現実的世界における生活模様を人間ドラマになぞらえて丹念に描くということを行ったためである。
つまり、実写映像でやればいいと思えるような内容のものを、わざわざ“絵”のアニメーションに起こして表現したというわけだ。
これは当時のアニメとしてはあまりにも斬新的であり、大変な冒険でもあった。
当時からすれば、「アニメ」というのは「漫画」の延長線上にすぎない存在であったからだ。
そこにリアルな人間ドラマを持ち込んだところで、誰もが「失敗する」だろうと思っていたのだ。
しかし、『ハイジ』はその予想を裏切り、日本のアニメ史におけるヒット作の一つとして記憶に残ることとなった。
24無念Nameとしあき25/12/12(金)16:54:32No.1372527219+
この『ハイジ』の成功によって、「名作ものアニメ」というジャンルは本格的な幕開けを迎えることになる。
メルヘンじゃなくても「名作」は売れると認識されていったのか、『ハイジ』の作風に倣った作品が各社から立て続けに作られるようになったのだ。
そして、『ハイジ』を企画製作した当の瑞鷹エンタープライズでは同放送枠の後継番組として、『ハイジ』の精神を受け継いだ新しい名作ものアニメを世に送り出した。
それが『フランダースの犬』であり、(最狭義において)世界名作劇場シリーズの第一作目となった作品である。
諸般の事情につき、『ハイジ』と『フランダース』の版権は分断されることになったが(詳細は後述する)、この『ハイジ』の存在こそが「名作ものアニメ」にとっても「世界名作劇場」にとっても、重要な指針となっているのである。
25無念Nameとしあき25/12/12(金)16:54:53No.1372527270+
その後、『ハイジ』の直系となる名劇シリーズは、名作ものアニメの大家とも言える存在となり、同時にその栄枯盛衰を表す指針ともなった。

90年代より名劇シリーズは放送回数の短縮や視聴率の停滞・下降が目立ちはじめ、明らかな衰えを見せていた。

同じく名作ものアニメ全般を見ても90年代から制作本数の減少が目立ち、斜陽の時代を迎えていた。

名劇シリーズが休止した90年代後半以降ともなれば、その情勢はますます暗転していった。

風土柄、名作ものアニメを数多く放送してきたNHKを除き、民放では新作の名作ものアニメはほとんど放送されなくなったのだ
26無念Nameとしあき25/12/12(金)16:55:39No.1372527401+
名作ものアニメが衰退に至った原因とは何か。
それはジャンルとしての構造の弱さにあった。
ロボットものや魔法少女ものといった他のジャンルには、その括りの中に商業的に成果のあった有力コンテンツを幾つも抱えていた。
例えば、前者にはガンダムシリーズやマクロスシリーズ、後者には東映魔女っ娘シリーズやぴえろ魔法少シリーズがあるように…
しかし、名作ものアニメの場合は、そのジャンルとしての地位をほぼ名劇シリーズに依存していたのだ。
『名探偵ホームズ』や『まんが日本昔ばなし』などといった単発でこそ有名な作品も確かにいくつかあった。
でも、その大半は認知度に期待できるとは言い難いものばかりなのだ。
言い換えれば、名作ものアニメは名劇シリーズ1強のような状態になってしまってるのだ。
27無念Nameとしあき25/12/12(金)16:56:12No.1372527491+
それに至った要因として考えられるのが、ジャンル特有の制約の多さであろう。
“名作”と名がつくように、基本的にこの手のアニメは原作ありきなのである。
更に、各所の製作陣らが良心的作品を志向するというきらいもある。
良心的作品を目指そうとするがゆえ、その過程において制約がいくつも生まれてしまうのだ。
こうした制約の多さが自由度の低さに繋がり、時代のニーズに沿ったフレキシブルな作品が作りづらくなってるという訳である。
その結果、名作ものアニメは90年代に入ってから縮小していったのである。
そう、アニメ業界の情勢が変化していったことを背景として、それらのニーズとの間に乖離が生じた
28無念Nameとしあき25/12/12(金)16:56:44No.1372527583+
90年代にはデジタル技術の急速な普及に伴い、映像表現の可能性が一気に広まった。
それによって、従来以上にスピーディーで刺激的なアニメが求められるようになったのだ。
しかし、旧態依然とした名作ものアニメにはこの需要に対処する術は持ち合わせていなかったのである。
というよりも、この需要自体が「名作ものアニメ」に対してほとんど突き付けられることはなかったのだ
元々、刺激的・暴力的とされたアニメに対するアンチテーゼという形で台頭したジャンルだけに、皮肉な結果を迎えてしまったものである。
29無念Nameとしあき25/12/12(金)16:57:32No.1372527716+
加えて、名作ものアニメを牽引していった名劇シリーズには上記の他、更なる衰退要因も重なっていた。
それはゴールデン帯アニメそのものの衰退である。
90年代半ば頃より、ゴールデン帯アニメは少子化や児童のライフスタイルの変化を背景に、低調になりつつあったのだ。
そう、ファミリー向けアニメが集中する帯にも関わらず、そのメイン視聴者となる児童が塾や習いごとに通うなどして、不在となることが多くなったのだ。
視聴率が見込めなくなるとテレビ局の応対も変わってくる。
それに伴い、ゴールデン帯番組には高額な放送費用・広告料金がかかるということを背景に、スポンサーが出資を出し渋るようになる。
その結果、ゴールデン帯からアニメ番組の枠が徐々に外されていくことになったのだ。
良くて放送時間移動、悪くて打ちきりといった具合に。
30無念Nameとしあき25/12/12(金)16:57:45No.1372527761+
また、そこにはスポンサー側が抱える事情も絡んでいた。
それは景気の悪さである。
バブル崩壊後の平成不況により、資金繰りが圧迫されていた企業が多数存在していたのだ。
特に、高額な出資を必要とする一社提供スポンサーにとっては深刻な問題であり、一社提供を辞退する例が相次いで起こっていったのだ。

名劇シリーズはまさにこうしたことによる影響が大きかったのである。
31無念Nameとしあき25/12/12(金)16:58:21No.1372527866+
今日において、「名作もの」と呼べるTVアニメ作品はほとんど見られなくなった。
2000年代以降も名劇シリーズが一時的に復活こそしてはいたが、全体の作品数は手で数える程だと言ってよい。
暴言となってしまうが、その現状には衰退を通り越して「過去の遺物」と化した印象を抱いてしまうばかりである。
“名作”を原作とした作品ということであれば、アニメーション映画に活路は得られるかもしれない。
しかし、映画の「名作もの」とTVアニメの「名作もの」の間には“ある敷居”が見えてくる。
それについての説明は割愛させてもらうが、映画に「名作もの」の活路を求めたところで、それに納得できる名作ものファンはどれだけいることだろうか。
気になるものである。
32無念Nameとしあき25/12/12(金)16:59:38No.1372528075+
最後に、個人的な主観に基ずき、2000年代以降に放映された新規の「名作ものアニメ」を以下に掲載する。

★『アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル』(2004-05)
★『雪の女王 〜THE SNOW QUEEN〜』(2005-06)
★『風の少女エミリー』(2007)
★『レ・ミゼラブル 少女コゼット』(2007)
★『ポルフィの長い旅』(2008)
★『こんにちはアン Before Green Gables』(2009)
★『青い文学シリーズ』(2009)
★『ふるさと再生 日本の昔ばなし』(2012-17)
★『山賊のむすめローニャ』(2017)
33無念Nameとしあき25/12/12(金)16:59:44No.1372528091+
また、「名作もの」に準ずるだろうものとして、以下を挙げる。
★『パタパタ飛行船の冒険』(2002)
 ※ジュール・ヴェルヌのSF小説「サハラ砂漠の秘密」と「悪魔の発明」を原作とする。
★『冒険者』(2002-03)
 ※クリストファー・コロンブスを主人公とした伝記アニメ。
★『それいけ!ズッコケ三人組』(2004)
★『獣の奏者』(2009)
 ※原作は近年のものとなるが、レンタルビデオ店等では「名作もの」として扱われる例が多いようだ
34無念Nameとしあき25/12/12(金)17:00:04No.1372528126+
訂正
『獣の奏者』→『獣の奏者エリン』
35無念Nameとしあき25/12/12(金)17:00:12No.1372528151+
スレッドを立てた人によって削除されました
アドオンのまとめてdel機能が便利すぎる
36無念Nameとしあき25/12/12(金)17:00:42No.1372528240+
■世界名作劇場の定義
さて、「名作ものアニメ」について説明したところで、いよいよ「世界名作劇場」について触れるとしたい。

まず、CX系列から放映された「世界名作劇場」と呼ばれるアニメシリーズというのは、以下の3通りの定義ができる。

1.「原作が日本国外の文学作品」(『七つの海のティコ』のみ例外)という基準で、1969年の『ムーミン』以後の作品を指したもの。
2.「日常を舞台にした作品」(厳密には例外もあるが)という基準で、1974年の『アルプスの少女ハイジ』以後の作品を指したもの。
3.「日本アニメーションの制作」という基準で、1975年の『フランダースの犬』以後の作品を指したもの。

(Wikipediaより引用)
37無念Nameとしあき25/12/12(金)17:01:56No.1372528453+
1の定義は比較的古い用いられ方である。
シリーズ名も「世界名作劇場」より「名作シリーズ」や「名作アニメ」と称することが主だった時期のものである。

2の定義は名劇ファンの間で『ハイジ』と『フランダース』以降の作品が抱き合わせて語られるうちに、自然と用いられるようになったものである。

3の定義は日本アニメーション側の版権上の取り扱いによるもので、もっぱら商用的な場面で用いられる。

>No.1372527219
を見てもらえば分かるように、2と3は版権上の都合で区切られてるだけであって、作品の中身は同一線上にある。
そのため、名劇ファンの間では2の定義を前提として語られることが多い。
これは日本アニメーション公認のファンクラブである「名作劇場ファンクラブ」(後に「赤毛同盟」に改組)においても同様である。

当スレでは2の定義に基づき、「世界名作劇場」として『アルプスの少女ハイジ』以降の作品を扱うものとする。
38無念Nameとしあき25/12/12(金)17:02:18No.1372528517そうだねx2
スレッドを立てた人によって削除されました
なんやこのキチガイ
39無念Nameとしあき25/12/12(金)17:03:13No.1372528662+
上記とは別個に名劇シリーズの話題になると、いわゆる「カルピス名作劇場」と「ハウス名作劇場」というシリーズ名も慣例的に使われることがある。
これは提供スポンサーの違いによって制作・テレビ局側が使い分けている、放送枠の名称に由来したものである。
『日立 世界ふしぎ発見!』といったように、スポンサー名を冠した番組のことを冠番組というが、CXではそれを放送枠に対して与えているのだ。
それによってスポンサーは多額の出資と引き換えに、自社の広告を行っているである。
40無念Nameとしあき25/12/12(金)17:04:33No.1372528884+
林原フラや双子シリーズは?名作?
41無念Nameとしあき25/12/12(金)17:04:50No.1372528926+
CX系列日曜7時半放送のアニメ番組枠では、最初「カルピスまんが劇場」という名称が使われていた。
これは一社提供スポンサーであるカルピス食品工業の名を冠したもので、1969年放映の『どろろ』(途中から『どろろと百鬼丸』に改題)に対して使われたものだ。
翌年放映の『(旧)ムーミン』にも同枠名は引き継がれており、以後「名作ものアニメ」が続いたため、次第に「カルピス名作劇場」という俗称が定着していったのだ。
その後、ハウス食品が1985年『小公女セーラ』の一社提供スポンサーとなったことにより、放送枠の名称が「ハウス食品世界名作劇場」となる。
それに伴い、「ハウス名作劇場」という俗称もファンの間で広まったため、「世界名作劇場」の定義の違いも相まって少々ややこしいことになっているわけである。
42無念Nameとしあき25/12/12(金)17:05:12No.1372528979+
これに加えて、花王石鹸による一社提供期《※》と複数社提供期には「世界名作劇場」という名称が使われている。
もちろん、これは“放送枠”そのもののに与えられた名称であるため、上述した定義による「世界名作劇場」とは異なる括りである。


《※ 1980年から82年までの、『トム・ソーヤーの冒険』、『ふしぎな島のフローネ』、『南の虹のルーシー』が放映されていた時期のこと。
まれに「花王名作劇場」と呼ばれることがあるようだ。》
43無念Nameとしあき25/12/12(金)17:07:40No.1372529399+
上記の説明を踏まえ、以下にスポンサーのリストを掲載する。
【CX系列 日曜19時半放送】
■冠枠「カルピスまんが劇場」
《カルピス食品の一社提供》
『どろろ』/『どろろと百鬼丸』(1969)
『(旧)ムーミン』(1969-70)
『アンデルセン物語』(1971)
『(新)ムーミン』(1972)
『山ねずみロッキーチャック』(1973)
『アルプスの少女ハイジ』(1974)
44無念Nameとしあき25/12/12(金)17:07:51No.1372529431+
★冠枠「カルピスこども劇場」
 《カルピス食品の一社提供》
『フランダースの犬』(1975)
  ※第26話までは「カルピスまんが劇場」枠
『母をたずねて三千里』(1976)
『あらいぐまラスカル』(1977)
★冠枠「カルピスファミリー劇場」
 《カルピス食品の一社提供》
『ペリーヌ物語』(1978)
45無念Nameとしあき25/12/12(金)17:08:02No.1372529461+
スレッドを立てた人によって削除されました
以下名劇エロスレ
46無念Nameとしあき25/12/12(金)17:08:11No.1372529487+
★冠枠「世界名作劇場」
『赤毛のアン』(1979)
 《カルピス食品、花王石鹸の二社提供》
『トム・ソーヤーの冒険』(1980)
 《花王石鹸の一社提供》
『家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ』(1981)
 《花王石鹸の一社提供》
『南の虹のルーシー』(1982)
 《花王石鹸の一社提供》
『アルプス物語 わたしのアンネット』(1983)
 《花王石鹸、味の素の二社提供》
『牧場の少女カトリ』(1984)
 《花王石鹸、味の素(途中降板)、ハウス食品の三社→二社提供》
47無念Nameとしあき25/12/12(金)17:08:42No.1372529568+
★冠枠「ハウス食品世界名作劇場」
 《ハウス食品の一社提供》
『小公女セーラ』(1985)
『愛少女ポリアンナ物語』(1986)
『愛の若草物語』(1987)
『小公子セディ』(1988)
『ピーターパンの冒険』(1989)
『私のあしながおじさん』(1990)
『トラップ一家物語』(1991)
『大草原の小さな天使ブッシュベイビー』(1992)
『若草物語 ナンとジョー先生』(1993)
 《チョーヤ梅酒、ECCジュニアが途中参入》
48無念Nameとしあき25/12/12(金)17:08:59No.1372529619+
★冠枠「世界名作劇場」
《NTTその他による複数社提供》
『七つの海のティコ』(1994)
 《第9話までは「ハウス食品世界名作劇場」枠》
『ロミオの青い空』(1995)
『名犬ラッシー』(1996)
『家なき子レミ』(1996-97)
49無念Nameとしあき25/12/12(金)17:09:29No.1372529693+
    1765526969332.jpg-(79462 B)
79462 B
ハックルベリーの冒険好きだったけど名作劇場では無いんだよな
ハックの声は野沢雅子だったけど後年トムソーヤーの冒険が名作劇場でアニメ化された時トムソーヤーの声が野沢雅子で友達にハックルベリーが出てきて当たり前だが別の声でちょっと混乱した
50無念Nameとしあき25/12/12(金)17:09:39No.1372529723+
【BSフジ 日曜19時半放送】
★冠枠「ハウス食品世界名作劇場」
『レ・ミゼラブル 少女コゼット』(2007)
 《ハウス食品、BANDAI、インデックスミュージックによる三社提供》
『ポルフィの長い旅』(2008)
 《ハウス食品による一社提供》

★冠枠「世界名作劇場」
『こんにちはアン Before Green Gables』 (2009)
 《ハウス食品、SECOM、H.I.S(途中降板)、BANDAI(途中参入)による最大三社提供》
51無念Nameとしあき25/12/12(金)17:10:11No.1372529806+
■瑞鷹と日アニについて
『ハイジ』と『フランダース』以降の作品をセットで語るにあたり、説明したいことがある。
それは、なぜ、両者は異なる版権を持つに至ったのかということだ。
それにあたり、『(旧)ムーミン』にはじまる、瑞鷹エンタープライズの経緯から説明するとしよう。
52無念Nameとしあき25/12/12(金)17:10:23No.1372529842+
>1765526969332.jpg
ミッチの隠れた名曲
53無念Nameとしあき25/12/12(金)17:10:41No.1372529884+
まず、「カルピスまんが劇場」で放映されていた作品のうち《※》、1969年『(旧)ムーミン』以降は瑞鷹エンタープライズによって企画製作されたものである。
瑞鷹エンタープライズは『(旧)ムーミン』の製作にあたり、そのアニメ制作を、第26話までは東京ムービーに、第27話以降は虫プロダクションに委託していたのだ。
その後、虫プロは『アンデルセン物語』(1971)と『(新)ムーミン』(1972)でも制作を請け負うことになり、瑞鷹エンタープライズと密接な連携関係を持つことになった。
54無念Nameとしあき25/12/12(金)17:11:07No.1372529956+
しかし、その関係は長くは続かなかった。
瑞鷹が『(新)ムーミン』に続く新企画を考えてたところ、虫プロの経営が危ういという報を受けたからだ。
ちょうどその頃、瑞鷹エンタープライズは「カルピスまんが劇場」枠とは別に『小さなバイキング ビッケ』の企画も進めており、その制作を虫プロに依頼していたところであった。
また、『ビッケ』の制作にあたり、瑞鷹エンタープライズはドイツのZDF(第2ドイツテレビ)との間に国際共同制作の契約を既に結んでいた。
そのため、今後の制作を円滑にするためにも、瑞鷹は自社で映像制作部門を構える必要が出てきたのだ。
そして、設立されたのがズイヨー映像であった。
55無念Nameとしあき25/12/12(金)17:11:15No.1372529980そうだねx2
>瑞鷹エンタープライズの経緯から説明するとしよう。
いやまだ書くのかよ・・
56無念Nameとしあき25/12/12(金)17:12:00No.1372530102+
これにより、瑞鷹エンタープライズでは新たな制作体制が敷かれ、『ビッケ』の制作はズイヨー映像に移管されることになった。
新体制にあたり、瑞鷹エンタープライズ社長の高橋茂人氏がズイヨー映像社長を兼任。
代表取締役には、本橋浩一氏が起用された《※》。

《※ 後の日本アニメーション代表取締役社長。
本橋浩一氏についてはWikipediaの当該記事を含め、ズイヨー映像設立時の“社長”と記載されてる例が3件確認された。しかし、それは誤りと見ていいだろう。》
57無念Nameとしあき25/12/12(金)17:12:05No.1372530116+
以下、虫プロ商事重役の西崎義展氏が制作部長として起用され、中島順三氏と佐藤昭司氏らも同社に移籍となる。
中島・佐藤の両氏は後の名劇シリーズをプロデュース・企画の面で長年支えていくことになる人物である。
そして、『(新)ムーミン』の次作には『山ねずみロッキーチャック』(1973)が制作されることが決定し、ズイヨー映像がそれを請け負うことになった。
その制作にあたり、ズイヨー映像には森やすじ氏や遠藤政治氏、桜井美知代氏などといった優秀な人材が集まり、ズイヨー映像は充実した制作環境が整うことになる。
その結果、アニメーション制作における全工程をほぼ自社で一貫して行うという仕組みができあがり、一アニメスタジオとして高度な機能を持つようになる。
58無念Nameとしあき25/12/12(金)17:12:40No.1372530210+
そして、遂に迎えた『アルプスの少女ハイジ』(1974)の制作。
これは瑞鷹エンタープライズ社長の高橋茂人氏が同社を設立する以前から構想を描いていた大本命の作品だった。
制作にあたり、Aプロダクションから高畑勲氏、宮崎駿氏、小田部羊一氏らがズイヨー映像に移籍する。
『ロッキーチャック』放映中に制作準備が進められたため、社内で制作班が分かれてはいたが、ズイヨー映像は後にも先にもない活況を見せた。
その結果、『ハイジ』はヒットを果たし、スポンサーであったカルピス食品から大きな信頼を得ることとなった。
その後、『ハイジ』に続く新企画として、カルピス食品がアニメ化を熱望していた『フランダースの犬』が立てられることになった
59無念Nameとしあき25/12/12(金)17:13:07No.1372530275+
ズイヨー映像では当初『ハイジ』に引き続き『フランダースの犬』も制作していた。
しかし、高橋氏が海外出張に行ってる間に問題が起きたのである。
そう、瑞鷹エンタープライズとズイヨー映像の間に内紛《※》が起きてしまったのだ。
その結果、ズイヨー映像は当時社長に就任していた本橋氏以下、スタジオと人員はほぼそのままに「日本アニメーション株式会社」へと改組。
瑞鷹サイドから独立を果たし、そのまま事業を継承することとなった。
《※ その原因は賃金未払いや資金繰りの拗れにあると言われてるらしいが、詳細は不明。》
60無念Nameとしあき25/12/12(金)17:13:42No.1372530351+
    1765527222405.jpg-(130199 B)
130199 B
SECOMしていれば行商人に毛染めを売られる事も無かったな…
61無念Nameとしあき25/12/12(金)17:13:45No.1372530357+
そのため、ズイヨー映像制作の作品は裁判沙汰を経て、権利関係が煩雑なものとなる。
まず、ズイヨー映像時代に制作済みだった『山ねずみロッキーチャック』と『アルプスの少女ハイジ』の版権は瑞鷹エンタープライズが所有することとなった。
現在はその後継会社である瑞鷹株式会社が権利元となっており、版権の管理・運営をサンクリエートに委託している。
そして、まだ制作前半の段階であった『フランダースの犬』と『みつばちマーヤの冒険』の版権は日本アニメーションに継承されたのだ。
また、制作終盤を迎えようとしていた『小さなバイキング ビッケ』に関しては、版権が両社に分断されるに至った《※》。

《※ 全78話あるうち、瑞鷹が第52話までの、日本アニメーションが第53話以降の権利者となっている。
日本アニメーション側では『ビッケ』を公式サイトの作品紹介から除外していたりと、封印作品のような扱いをしている。
一応、版権別にDVDBOXが全話分リリースされてはいるが。》
62無念Nameとしあき25/12/12(金)17:14:26No.1372530462+
このような経緯により、『ハイジ』と『フランダース』はスタジオとスタッフこそ継承されてはいるが、版権は全く異なるものとなってしまったのだ《※》。
しかし、『ハイジ』は『フランダース』以降の世界名作劇場シリーズの礎になった作品であるというのは事実である。
商用的な場面では別として、名劇シリーズを語る上では『アルプスの少女ハイジ』という作品は欠かせない存在であるのだ。

《※ トップクラフト制作の『風の谷のナウシカ』と、『天空の城ラピュタ』以降のジブリ作品のような関係に例えられることもある。
ただし、『ナウシカ』は後に版権がスタジオジブリに移管されているため、レーベル上でも正規のジブリ作品となっている。》
63無念Nameとしあき25/12/12(金)17:15:03No.1372530559+
■その後の瑞鷹
虫プロの倒産とズイヨー映像の離反によって、大打撃を被ってしまった瑞鷹エンタープライズ。
その影響によって新規アニメの企画製作及び制作体制が整うまでには期間を要することになった。
1979年に『劇場版 アルプスの少女ハイジ』を手掛けるも、これはTVアニメ版『ハイジ』を再編集した総集編映画に過ぎなかった。
高畑氏や宮崎氏らを中心にTVアニメ版の制作スタッフから強い反発を受けるも、公開されるに至った。
これは『(劇場版)宇宙戦艦ヤマト』(1977)《※》の大ヒットをきっかけにして起きたTVアニメの総集編映画ブームの一環として製作されたものだが、その評価はあまり芳しくはないものだった。

《※ ちなみに『ヤマト』は、元々同作プロデューサーであった西崎義展氏がズイヨー映像の制作部長だったときに企画されたものが元になっている。
版権は西崎氏が所有していたため、瑞鷹エンタープライズ側とは問題に至ってない。》
64無念Nameとしあき25/12/12(金)17:15:20No.1372530607+
Wikipediaのコピペ?
65無念Nameとしあき25/12/12(金)17:15:52No.1372530691+
1983年、8年ぶりとなる新規のアニメ作品として『ピュア島の仲間たち』《※1》を、更にその翌年には『森のトントたち』を企画製作する。
両作ともにアニメ制作は新たにシャフトに委託された。
瑞鷹エンタープライズに足場を移していた高橋氏には、かねてより“妖精”の世界に興味を持っていた《※2》。
そして、もう一度「ムーミン」を作りたいという思いから、原作者のトーベ・ヤンソン氏を訪ねにフィンランドへ何度か通っていたという。
結局、その再アニメ化は他社で企画されていたものが通ってしまい《※3》、断念に至ったとのことだ。
高橋氏はフィンランド出張中の事故により、生涯車椅子生活の身になってしまうが、その後も第一線で活躍し続け、2015年に逝去。
この間に、瑞鷹エンタープライズは「瑞鷹株式会社」へと改組。
以後は版権事業をメインに置き、現在に至るというわけだ。
66無念Nameとしあき25/12/12(金)17:16:05No.1372530729+
《※1 アメリカの絵本「セレンディピティ物語」シリーズを原作とする。原作者はステファン・コスグロー(文章)&ロビン・ジェームス(絵)。》

《※2 過去にはJ.R.R.トールキン氏の「指輪物語」のアニメ化も考えていたことがあるという。
しかし、生前のトールキン氏から許可が降りなかったため、断念したとのことだ。》

《※3 テレスクリーン製作の『楽しいムーミン一家』シリーズ(1990-92)のことかと思われる。
奇しくも、この第1期シリーズの監督・斉藤博氏とシリーズ構成・宮崎晃氏は名劇シリーズに大変ゆかり深い人物である。》
67無念Nameとしあき25/12/12(金)17:16:49No.1372530845+
■その後の日アニ
70年代、ポスト虫プロの時代。
東映動画、エイケン(旧TCJ)、タツノコプロ、東京ムービーに続く、新たな担い手として、様々なプロダクションがこの時期に数多く立ち上げされた。
その中で、作品の多様化と業界の拡張を担う騎手の一つとして台頭したのが日本アニメーションであった。
日アニも他のプロダクション同様、その当時の風潮らしく、『超合体魔術ロボ ギンガイザー』(ロボットもの)、『あしたへアタック!』(スポ根もの) 、『はいからさんが通る』(少女大河もの)といった、流行のジャンルにも手を伸ばしていた。
しかし、何よりも主力としていたのは、自身が開拓したジャンルである「名作ものアニメ」においてであった。
世界名作劇場を筆頭に、日アニは名作ものアニメの大家として、その地位を不動のものとしたのだ。
また、これに派生した形で動物キャラにスポットを当てられた作品も全年代を通して多いというのが特徴的だ。
68無念Nameとしあき25/12/12(金)17:17:09No.1372530894+
例として、『みつばちマーヤの冒険』や『トッポ・ジージョ』、『みかん絵日記』などが挙げられるだろう。
その変遷は「名作ものアニメ」と共にあったと言ってもよく、日アニが主力とする名劇シリーズの衰退は、名作ものアニメの衰退と重なり合うようにして進行していった。
その結果、名劇シリーズは1997年に休止に追い込まれてしまい、もはや「名作ものアニメ」にはほとんど期待できない時代となってしまったのだ。
69無念Nameとしあき25/12/12(金)17:17:45No.1372530999+
しかし、そこで日アニは終わった訳ではなかった。
少し遡って1990年、その年に日アニは新しい活路を既に見出だしていたのだ。
そう、『ちびまる子ちゃん』の放映がそのきっかけであった。
元々当時の日アニ社長であった本橋浩一氏の孫娘が原作のファンだったことから、「自分の孫に見せたい作品を作りたい」という思いで制作されたとのことだ。
その思いには、やはり「良心的作品」を作ろうとする世界名作劇場のコンセプトと重なるところもあった。
一方で、当初はシニカルなギャグ漫画である「ちびまる子ちゃん」は会社のイメージに合わないとして制作を疑問視する声もあったという。

しかし、いざ放映されるとなるや、初回から視聴率17.8%を記録するという好調な走りだしを見せ、話題を呼んだ。
そして、遂には歴代のアニメ番組の中でも『鉄腕アトム』に次ぐ、最高視聴率39.9%を記録するという快挙を達成したのだ。
その経済効果は多大であり、後の少女漫画アニメ化ブームへの流れを促すこととなったのだ。
70無念Nameとしあき25/12/12(金)17:18:39No.1372531146+
この成功によって、以後日アニは積極的に漫画原作の作品を手掛けるようになり《※1》、それを新しい拠り所としていった。
それにあたり、他社との差別化を図るためだろうか、日アニでは一風変わったような漫画作品ばかり採用されていた。
特に、当時異色の漫画誌として知られた「月刊少年ガンガン」の連載作品にいち早く目をつけたというのがその現れだろう。
また、従来の日アニ作品の傾向に倣ってか、柔和な画風のものや、動物をテーマとする作品も見られた。
その一例として、『魔法陣グルグル』、『花さか天使テンテンくん』、『平成イヌ物語バウ』などが挙げられる。

《※1 一応、『釣りキチ三平』(1980)までの時期にも漫画原作の作品は何作も手掛けている。
その後、どういうわけか『超人ロック』の劇場版・OVA作品を手掛けている。
しかし、それを除けば国内の漫画を原作とした作品を手掛けるようになるのは久しいことである。
ちなみに、海外漫画原作のものとしては過去に『宇宙船サジタリウス』(1986-87)と『リトル・ルルとちっちゃい仲間』(1976-77)》を手掛けている。》
71無念Nameとしあき25/12/12(金)17:18:53No.1372531192+
その後、00年代に入ってからの日アニの経緯はあらかた瑞鷹と同じである。
瑞鷹よりはアニメ製作事業には恵まれているが、やはり数字上は縮小していったものだと思われる《※2》。
その分、版権事業や商品化事業は拡大したものと見られ、今でも「世界名作劇場」はコンテンツ自体は存続されている。
いわゆる「昔は有名だった」などと言われるプロダクションの中でも、日アニは特にコンテンツ事業に力を注いでいるという印象を強く受ける。

《※2 公的な資料が明かされていないので、具体的な決算等がどうなってるかは不明。》
72無念Nameとしあき25/12/12(金)17:19:09No.1372531251+
さて、ここで前書きは終わりとする

次より名劇シリーズ各作品の解説に移る
73無念Nameとしあき25/12/12(金)17:19:21No.1372531290+
https://kaikoswitch.blog.jp/archives/1075520109.html
74無念Nameとしあき25/12/12(金)17:20:09No.1372531443+
■【アルプスの少女ハイジ】
スイスの自然の中で暮らす少女ハイジの成長や、周囲の人々との交流を描く。
放送期間:1974年1月6日〜12月29日 全52話
冠枠:カルピスまんが劇場
提供:カルピス食品工業
75無念Nameとしあき25/12/12(金)17:20:23No.1372531496+
監督(クレジット上は演出):高畑勲
プロデューサー/瑞鷹エンタープライズ社長:高橋茂人
担当プロデューサー:中島順三
脚本:吉田義昭、大川久男、佐々木守
キャラデザ:小田部羊一
作画監督:小田部羊一
音楽: 渡辺岳夫

原作者:ヨハンナ・ホーセル・シュピリ(スイス/1839-1908)
原作:「アルプスの少女ハイジ」
[Heidi's Lehr-und Wanderjahre(ハイジの修行時代と遍歴時代)](1880)および[Heidi Kann Brauchen,was es gelernt hat(ハイジは習ったことを使うことができる)](1881)
舞台:推定1880年前後 スイス、ドイツ
76無念Nameとしあき25/12/12(金)17:21:03No.1372531584+
今や長編アニメーションの巨匠として知られる故・高畑勲氏によるTVシリーズ初監督作品。
日本のアニメ史において「名作ものアニメ」という新潮流を定着させ、 後の名劇シリーズの作風や制作スタンスの基礎を築いた本作。
「名作ものアニメ」と括られる作品自体はそれまでにもあったが、そのどれもが動物を擬人化するなどの、メルヘン色の濃いものであった。
しかし、本作では非ファンタジーの世界における人間の日常生活を描いている。
これは当時のアニメとしては衝撃的であり、大きな冒険でもあった。
そのため、企画時には関係者から「失敗する」とささやかれたりもしたが、その予想を大きく裏切り、ヒットを成し遂げたのである。
その頃、後にアニメブームを牽引することとなる『宇宙戦艦ヤマト』が裏番組として放映されていたが、本作の影響で苦戦を強いられたことは有名な話だ《※》。
77無念Nameとしあき25/12/12(金)17:21:25No.1372531630+
《※ 『ハイジ』より遅れて1974年10月に『ヤマト』が読売テレビ系で放送される。
その頃、『ハイジ』は物語の佳境を迎える第4クール目に入っており、『ヤマト』は初っぱなから厳しい状況に立たされてしまった。
そして、視聴率の低迷と制作費の増大から、予定していた1年を待たずして半年で終了してしまったのだ。
その後、新人類世代が中心となって徐々にコアなファンが増えていき、1977年に劇場版が公開されたのをきっかけにアニメブームが巻き起こる。
ちなみに、『ヤマト』プロデューサーの西崎義展氏はズイヨー映像の元制作部長でもあった。》
78無念Nameとしあき25/12/12(金)17:22:23No.1372531817+
さて、ここで気になるのは、なぜ本作が制作されたかということだ。
そこには瑞鷹エンタープライズ社長の高橋茂人氏の長年の思いと、高畑氏の挫折があった。
原作に強い思い入れがある高橋氏は、瑞鷹設立以前から『ハイジ』を構想しており、また、日本のアニメーションを世界に通用するものとしたいと考えていた。
瑞鷹の設立後、しばらく立って理想の制作体制ができつつあった頃に本作の企画を立てたというのだ。
しかし、この企画の売り込みは放送局や広告代理店から猛反発を受け、実制作を担ってくれる人も中々見つからなかった。
そうした中、Aプロの大塚康生氏《※》により、高畑氏が紹介されたのだ。

《※ 東映動画時代の高畑氏の先輩。アニメーターとしては宮崎駿氏の直々の上司となる。》
79無念Nameとしあき25/12/12(金)17:22:57No.1372531911+
一方、高畑氏は以前にTVシリーズ用の名作ものアニメとして『長くつ下のピッピ』《※》の企画を請け負っていた。
その立ち上げのため、小田部羊一氏と宮崎駿氏を誘い、東映動画からAプロへ移籍した経緯がある。
しかし、『ピッピ』は原作者からの版権許可が降りず、代わりに中編作『パンダコパンダ』を制作されたのだ。
その後、高畑氏は高橋氏から本作企画の打診を受けたのである。
そして、アニメ化のための算段が整ったのち、再び小田部氏と宮崎氏を誘って、本作の制作へと至ったのだ。
このように『ピッピ』での挫折が『ハイジ』制作への原動力となったのである。
そもそも『ピッピ』の企画を請け負った理由の一つが、演劇性のないごく当たり前の日常描写を描きたい思いにあったのだ。
これには、アニメ業界を席巻していたスポ根やSFといった刺激的な作品郡に対するアンチテーゼも込められている。

《※スウェーデンの児童文学作家アストリッド・リンドグレーンによる同名の創作童話を原作とする。
原作者は宮崎吾朗監督作品の『山賊の娘ローニャ』と同じである。》
80無念Nameとしあき25/12/12(金)17:24:04No.1372532112+
本作の制作にあたり、高橋氏と高畑氏に共通している方針がある。
それは良心的作品を目指していることと、ディティールの追及だ。
前者は、高度経済成長によりもたらされた、物質文明に晒される子供や公害問題などが表面化した社会に訴えかけたものだ。
それは原作の持つ自然讃歌や人との信頼という魅力を通じて伝えられている。
原作にある宗教色の強い描写も、 本作で重点が充てられた自然描写や日常描写の中に自然に溶け込んでいるのだ。
81無念Nameとしあき25/12/12(金)17:24:16No.1372532138+
後者は、本作の舞台であるスイスの暮らしを知らなければ、丁寧な日常描写を描くにも、世界に通用させることも叶わないからと思ったからだ。
そこでまず行われたのが、日本のアニメとして初となる海外ロケハンである。
既に『ピッピ』企画時には宮崎氏が単独でスウェーデンへロケハンに行っていたが、実際にアニメ化に至ったものとしては本作が初めてだ。
海外ロケハンではその地の風土はもちろんのこと、現地住民の生活習慣や衣食住、仕草などを綿密に調べ上げている。
高畑氏は帰国後も民俗学的な研究にまで着手し、アニメーションとの釣り合いも考えながら、独自の演出方法を構築したのだ
82無念Nameとしあき25/12/12(金)17:25:12No.1372532327+
作画面におけるディティールを高めるために、「場面設定」と「画面構成」という担当職が設けられた。
場面設定とは、家屋や家具・道具類などを設計する役だ。
それまで他の作画職により大雑把に描かれていたものを、専門職化したことにより精密に描いているのだ。
どのカメラワークからでも整合性が取れるように設計され画面構成と共に臨場感を上げることに貢献している。
そして、アニメ史において画期的とも言える担当職となったのが画面構成である。
これはレイアウトのことであり、本作はレイアウトシステムが本格的に導入された最初の作品なのだ。
これらの役職は宮崎駿氏によって一手に担われている。
毎話約300枚程のレイアウトを全52回、宮崎氏がほぼ全て仕上げたという超人っぷりは今でも有名な語り草だ。
83無念Nameとしあき25/12/12(金)17:25:51No.1372532442+
今となってはお互いに大きく異なった路線を歩んでいる高畑氏と宮崎氏。

本作は、そんな両氏が最も歩み寄りを見せたのが作品であるという見方もできる。
なぜなら、本作は高畑氏の志向するリアリズムでありながら、宮崎氏の志向する躍動とファンタジーという側面を見せているからだ。
まず、本作ではアニメーションならではの表現として、ハプニングを盛り込んだり、心の動きを視覚化したりすることで、そこに躍動感を与えているのだ。
そして、 ハイジの暮らすアルプスが自然の理想郷として描かれ、また、ハイジというただ一人の少女が周囲の人々を変えていく様は一種のファンタジーとさえ言えるのだ。

【「ファンタジー」の説明に関する文章が一部欠落してしまったので、割愛】

高畑氏の作品はアニメーターの個性を引き出すことを演出方針としているが、本作ではその対象の一人が宮崎氏である。
今となってはそれが非常に価値あるものと思える。
84無念Nameとしあき25/12/12(金)17:26:27No.1372532539+
また、両氏の盟友である小田部氏の存在も忘れてはならない。
小田部氏は東映動画時代に「アニメーションの神様」こと森康二氏に師事しており、師と同じく子供や動物の絵を得意とするアニメーターである。
本作ではキャラデザと全話作監に起用されており、生き生きとしたその絵柄は、本作の持つ「躍動」を常に支えてくれている存在だ。
こうした小田部氏のキャラデザは本作のみならず後の名劇シリーズにおいて重要な地位を占めることになる。
それについては『フランダースの犬』の項にて説明しよう。
ちなみに、本作が初という訳ではないが、「キャラクターデザイン」という役職の設置は当時としては珍しいことだった。

このようにして、アニメ業界における当代一の人材を携え、国産アニメに新しいムーヴメントが沸きつつあった70年代に『アルプスの少女ハイジ』を誕生したのである。
85無念Nameとしあき25/12/12(金)17:26:31No.1372532550+
    1765527991076.jpg-(201654 B)
201654 B
コピペの中で指輪物語やトップクラフトの名前が出てきて思い出したけどトップクラフトが制作に参加したTVスペシャルのホビットの冒険日本語版出さないかな
86無念Nameとしあき25/12/12(金)17:27:08No.1372532646+
■【フランダースの犬】
貧しさの中でもひたむきに暮らす、絵の好きな少年ネロとジェハンじいさん。愛犬パトラッシュと出会い、生涯をともにする。

放送期間: 1975年1月5日〜12月28日 全52話
冠枠:カルピスこども劇場(27話以降)
提供:カルピス食品工業
87無念Nameとしあき25/12/12(金)17:27:31No.1372532715+
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63438 B
ポルフィはメインビジュアルがなんか怖い
88無念Nameとしあき25/12/12(金)17:27:33No.1372532723+
監督 :黒田昌郎
プロデューサー:中島順三、松土隆二
脚本:中西隆三、加瀬高之、雪室俊一、佐藤道雄、安藤豊弘、伊東恒久、高山由紀子、松島昭
絵コンテ:黒田昌郎、柴田一、山崎修二、奥田誠治、斧谷稔、高畑勲、横田和善、西牧秀雄、水沢わたる、佐々木正広
キャラデザ:森やすじ
作画監督:岡田敏靖、羽根章悦
音楽: 渡辺岳夫
企画:佐藤昭司

原作者: ウィーダ(本名 ルイズ・ド・ラ・ラメー)(イギリス/1839-1908)
原作:「フランダースの犬」[A Dog of Flanders](1871)
舞台:1870年代 ベルギー
89無念Nameとしあき25/12/12(金)17:28:41No.1372532909+
日本アニメーションが定義する「世界名作劇場」シリーズの第一作目にして、同社が手掛けることになった最初のアニメ作品。
『アルプスの少女ハイジ』に続いて、生活描写に根ざした等身大の人間たちによるドラマが描かれた。
それにより、本作のヒットをもって「名作ものアニメ」の路線が本格的に定着することになった。
そして、その路線には『ハイジ』ではほとんど描かれなかった「暗さ」や「重さ」が新たな色として加わることになったのだ。
悲劇的・シリアスな内容の名作ものアニメのルーツは本作にあり、同時に巷での「名作ものアニメ=暗くて重い」というイメージの源泉もここにあるのだろう。
90無念Nameとしあき25/12/12(金)17:28:54No.1372532951+
特にアニメ特集系のテレビ番組が毎度のごとく本作最終回の例の名場面を取り上げていることによる影響は大きい《※》。
そして、それが巷での名作ものアニメへの偏見と毛嫌いを助長させている気もしてならない。
このように、良くも悪くも『フランダースの犬』は名作ものアニメを代表する作品の1つと言える。

《※ 他にも『ハイジ』のクララが立つシーンや『ラスカル』のラスカルとの別れのシーンは定番中の定番だろう。
ワイの印象ではそれに続いて『三千里』と『アン』、たまに『セーラ』、わずかに『トム』や『フローネ』が取り上げられてるように感じる。
これら以外の作品が挙がった例も見たことはあるが、稀である。》
91無念Nameとしあき25/12/12(金)17:29:02No.1372532973+
スレッドを立てた人によって削除されました
sage爺世界名作劇場のキャラでもれなく抜いてるんだよ❤️
92無念Nameとしあき25/12/12(金)17:29:58No.1372533137+
本作の企画・制作には一社提供スポンサーであったカルピスの影響力が大きい。

元々ズイヨー映像(本作制作中に日本アニメーションとして独立)では『ハイジ』の後番組として、「シートン動物記」のアニメ化作品が企画されていた。

しかし、当時のカルピス食品工業の社長であった土倉冨士雄氏が「フランダースの犬」のアニメ化を強く推薦したため、「シートン動物記」の企画は取り下げられ、本作の制作に至ったのだ《※1》《※2》。

制作中においては土倉氏は全話脚本のチェックを行っている。
それ自体はそれまでの提供作品でも行ってきたことなのだが、本作に関しては特に最終回への強いこだわりを見せている。
最終回では脚本のみならず絵コンテまでもチェックしており、劇伴には「アベマリア」を使ってもらうためにかなりの自費負担も行っている。
そして、ネロとパトラッシュの最期についても直接的に「死」を描くのではなく、「昇天」という形をとるように求めたのも土倉氏である。
93無念Nameとしあき25/12/12(金)17:30:11No.1372533167+
《※1 その後、「シートン動物記」の企画は別の放送枠で採用され、1977年にANB系列で『シートン動物記 くまの子ジャッキー』として放送された。
監督とキャラデザは本作と同じであり、他にも多くのメインスタッフが共通している。》

《※2 「シートン動物記」の企画があったというのは黒田監督の談によるもの。
一方、「ハイジが生まれ日 テレビアニメの金字塔を築いた人々」の著者ちばかおり氏によると、「ウィリアム・テル」の企画が最終的に挙がっていたという。》
94無念Nameとしあき25/12/12(金)17:30:52No.1372533266+
制作スタッフは土倉氏の意向に沿うままに最後を締めくくった。
これは土倉氏がクリスチャンであったからこそ、そこまでの情熱が注がれたというわけだ。
最終回が近付くにつれ、ネロとパトラッシュの死を望まない嘆願の便りが放送局に殺到していた。
しかし、彼らの死は制作開始時点で決められていたものであり、それを暗示したものがOP映像のラストカットとして毎週映し出されていたのだ。
かくして制作された最終回は平均視聴率が30%を越え、『ハイジ』を含めた名劇シリーズ全1213話中で最も高い数字となった。
後々、名劇シリーズはスポンサーよりもテレビ局側の意向が大きく反映されるようになるのだが、この頃はまだ一社提供スポンサーの影響力が強かったことがよくわかるエピソードである。
95無念Nameとしあき25/12/12(金)17:31:42No.1372533399+
本作のキャラデザは前作『ハイジ』の項でも説明した小田部羊一氏の師であり、東映動画時代にアニメーターたちの指導的立場にあたった森やすじ氏だ。
子供と動物の絵を得意とし、線の少なさとその滑らかさに特徴を持っている。
後進である小田部氏もその影響を受けており、『ハイジ』と『フランダース』を通して東映動画出身の両氏が手掛けたキャラは以降の名劇シリーズのキャラデザインの方向性を示すものとなった。
この頃、森氏は眼の病に冒されて視力が著しく低下していたため、メインスタッフとして参加していた名劇作品は本作のみである。
しかし、それ以降の名劇シリーズにおいても、キャラクター原案や企画用イメージボードの設計などを通して都度何らかの形で携わっている。
それほどまでにも、森氏が名劇シリーズに与えた影響は大きいのだ。
96無念Nameとしあき25/12/12(金)17:32:10No.1372533468+
ちなみに、 名劇シリーズは絵柄面においてジブリ作品と似ているとよく指摘されることがある。
それもそのはず、
ジブリ作品も森氏の教えを受けた宮崎駿氏ら東映系アニメーターがその絵柄の基礎を築いたからである。
画風が似通うためか、日本アニメーションからスタジオジブリへ移ったアニメーターも多い。
97無念Nameとしあき25/12/12(金)17:33:11No.1372533631+
本作の作風は暗くて重いという認識が強い。
実際に終盤はその通りでもあるのだが、そこに至るまではほのぼのとまでは言わないまでも、牧歌的な風合いが強い。
それでも序盤のうちから暗い影は見せており、次第にネロを哀れな立場に持っていこうとする演出があることは否めない。
言わずと知れた結末を待たずして、これをまず肯定的に見るか否かで本作への評価が大きく変わるだろう。

以降の名劇シリーズにおいても、そうした傾向が見られる作品はある。
しかし、本作では物語の残酷さに対して、性格が大きく理想化された主人公が受け身になりすぎた感がある《※1》。
そして、デッドエンドという結末と中盤までゆったりしたテンポがひたすら続いているということも合わさり、否定的に見てしまった人にとっては後味の悪さが続く残るものと思われる。
98無念Nameとしあき25/12/12(金)17:33:22No.1372533654+
また、テンポについて言えば、茶の間を囲って腰をじっくり据えながら本作を観てきた世代と、そうでない世代の間にはその感じ方に大きな隔たりもあることだろう。
抜群に高い知名度とは裏腹に、賛否が大きく別れる作品である。

ちなみに、前作『ハイジ』を手掛けた高畑勲氏と宮沢駿氏は本作への評価として「嫌い」と言い切っている《※2》。


《※1 この点は『小公女セーラ』も同じである。しかし、 結末の在り方と物語のテンポは決定的に異なっている。》

《※2 高畑氏は「アニコムZ VOL.5 赤毛のアン特集」(早稲田大学アニメーション同好会発行)、宮崎氏は「映画 風の谷のナウシカ GUIDEBOOK」にて。》
99無念Nameとしあき25/12/12(金)17:34:17No.1372533800+
本作、もとい原作への不興な評価としてよく語り草となるものがある。
それは「現地では無名の物語」、「欧米では負け犬の物語と言われてる」という評価があるということだ。

まず、「現地では無名の物語」とあるが、それはそうだろう。
原作はイギリス人作者による「フランダースの犬」はイギリスで出版された後、イギリスからアメリカに渡って普及した作品だ。
そして、アメリカから日本へと伝えられ、アニメ『フランダースの犬』を通じ、日本・韓国・フィリピンで人気を得るに至る。
ここまで一度も「ベルギー」という言葉は出てこないのだ。
100無念Nameとしあき25/12/12(金)17:34:35No.1372533841+
フランダース地方の主言語となるフラマン語(オランダ語)での完訳版が初めて出版されたのは1985年。
それ以前の訳では1885年に同地方の日曜新聞に掲載された翻案だけだったというのだ。
その完訳版が出されるきっかけとなったのが、アントワープ市当局への日本人観光客からの問い合わせであった。
そこで観光窓口担当のヤン・コルテール氏《※1》が調査を進めたことにより、現地でも「フランダースの犬」が認知されはじめたのである。
その結果、調査過程で原作のネロが暮らしていた村のモデルと推測される場所《※2》も突き止められたこともあり、現地では賑わいを見せることになったのだ。
しかし、それは一時期な流行りに過ぎなかったようで、経過と共に知名度が薄れていったという。

《※1 2008年、日本人妻のイシイ・ヨシミを殺害した罪により、現在、懲役14年の服役中の身にある。》

《※2 アントワープ市のホーボーケン区(原作出版当時はホーボーケン村)とされた。
本作ではネロの暮らす村は「ブラッケン村」という名称であったが、後の『劇場版 フランダースの犬』では「ホーボーケン村」に改められた。》
101無念Nameとしあき25/12/12(金)17:35:53No.1372534054+
>《※1 2008年、日本人妻のイシイ・ヨシミを殺害した罪により、現在、懲役14年の服役中の身にある。》
執筆時は2019年だったため、現在は刑期満了してるものと思われる
102無念Nameとしあき25/12/12(金)17:36:48No.1372534204+
次に、「欧米では負け犬の物語と言われてる」ということについてだ。
ネット上ではやや誇張気味に喧伝されてる言説だが、その直接の由来となったものが、2007年12月掲載の読売新聞の記事である。
その内容というのが、ベルギー人映画監督ディディエ・ヴォルカールト氏へのインタビューであった。
このインタビューは、ヴォルカールト氏が「フランダースの犬」がなぜ日本人にだけ共感されるのかということを検証したドキュメンタリー映画《※1》が上映されることを機に受けたもの。

そこでヴォルカールト氏は「フランダースの犬」について、
“欧州では、物語は「負け犬の死」としか映らず、評価されることはなかった”
といった内容の発言をしたというのだ。

《※1『Patrasche: A Dog of Flanders, Made in Japan』 (2007)》
103無念Nameとしあき25/12/12(金)17:37:12No.1372534267そうだねx1
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104048 B
>SECOMしていれば行商人に毛染めを売られる事も無かったな…
絵的に宣伝効果高いのあったよね
104無念Nameとしあき25/12/12(金)17:37:26No.1372534307+
どこのコピペ
105無念Nameとしあき25/12/12(金)17:38:08No.1372534423+
これとは別に、ヴォルカールト氏は共同著書「誰がネロとパトラッシュを殺すのか」において、アメリカ《※2》での実写映画版《※3》と日本でのアニメ版を引き合いに出し、日本人の精神性を浮き彫りにしている。
そこで日本人の精神に深く根ざした伝統的な理想像として、「崇高な失敗が真摯な態度と合わさり、自己犠牲につながる」という考え方を挙げている《※4》。
この精神性を日本人は「フランダースの犬」の中に見出して、共感につながったとのことだ。
しかし、フランダース人《※5》にとってそれは自分たちが打ち出したいイメージとは異なっていた。
経済的に豊かでエネルギッシュな土地としての地位を固めているところに、人生に失敗した少年の物語など惨めにしか映らないのだ。
また、作品内容の極端にセンチメンタルな部分も漫画的にしか思えないというのだ。
そうしたために、現地では「フランダースの犬」は評価されることがないのだという。
106無念Nameとしあき25/12/12(金)17:38:21No.1372534459+
《※2 アメリカに関しては「フランダースの犬」の知名度が高い。》
《※3 アメリカでは5度も映画化され、そのいずれもがネロが生き残るという形のハッピーエンドを迎えている。
5作目となる1999年版ではネロの葬儀シーンが描かれたが、結局それも夢オチにすぎなかった。》
《※5 同書では欧州の人間というより「フランダース人」を主な比較対象としている。》
107無念Nameとしあき25/12/12(金)17:39:08No.1372534599+
【母をたずねて三千里】
アルゼンチンへ出稼ぎに行ったマルコの母。便りが途絶え、マルコは母を想い、一人旅立つ決意をする。三千里の果てを目指し、ジェノバを発つ。

放送期間:1976年1月4日〜12月26日 全52話
冠枠:カルピスこども劇場
提供:カルピス食品工業
108無念Nameとしあき25/12/12(金)17:39:38No.1372534693+
監督:高畑勲
プロデューサー:中島順三、松土隆二
脚本:深沢一夫
絵コンテ:高畑勲、富野喜幸、奥田誠治、黒田昌郎
キャラデザ:小田部羊一
作画監督:小田部羊一
音楽: 坂田晃一
企画:佐藤昭司

原作者:エドモンド・デ・アミーチス(イタリア/1846-1908)
原作:「クオレ」[Cuore](1886)より
舞台:1879〜1880年 イタリア→アルゼンチン
109無念Nameとしあき25/12/12(金)17:39:39No.1372534697+
>どこのコピペ
どこか名作劇場に熱いけど不人気のページの読まれないテキストだろう
110無念Nameとしあき25/12/12(金)17:41:14No.1372534956+
    1765528874318.jpg-(183692 B)
183692 B
>>1765526969332.jpg
>ミッチの隠れた名曲
ミッチといえばジムボタンの主題歌も好きだった
そういや海外の児童文学のアニメ化ってもう無くなっちゃったな
ジムボタンに関してはもはや原作とも原案とも呼べないくらい別物にされてるらしいが
111無念Nameとしあき25/12/12(金)17:41:17No.1372534965+
>No.1372531290
112無念Nameとしあき25/12/12(金)17:41:33No.1372535008+
イタリアの愛国小説「クオレ」より、その中から100ページにも満たない劇中劇「アペニン山脈からアンデス山脈まで」を原作とする本作《※》。
この短編の物語を一年間のTVシリーズとして描くにあたり、本作ではかなりのオリジナルストーリーが肉付けされた。
旅の物語を作るときには、「股旅もの」のような勧善懲悪と義理人情に根ざした物語が一番やりやすい方法とされる。
具体例を言えば、『水戸黄門』がその典型的な例である。

しかし、本作では監督である高畑勲氏の意向により、安易な人情ドラマを描くことは避けられた。
原作の持つ風合いを残しながら、名作ものらしく「ありのまま」の人情を描いた物語として描いたのだ

《※ 日本アニメーションは後の1981年に「クオレ」そのものを原作とした、『愛の学校 クオレ物語』というアニメを制作している。
その中には、「母をたずねて三千里」というサブタイトルの回が前後編分けて2回ある。
言うまでもなく、それは「 アペニン山脈からアンデス山脈まで」を基にした内容である。 》
113無念Nameとしあき25/12/12(金)17:42:00No.1372535096+
100レス越えたら多順に出るまでスレ上がらなくなって埋もれるから
現在多順最低レス数の140レス台まで持って行かないと誰の目にも止まらないスレになるぞ
114無念Nameとしあき25/12/12(金)17:43:10No.1372535310+
>どこのコピペ
確かにコピペだけど元の文は自分が書いたやつ
原文を喪失したから、Googlekeepにもコピペしつつここにも貼ってる
115無念Nameとしあき25/12/12(金)17:44:07No.1372535491+
本作の主人公マルコは原作と同様、旅の道中で借りを作ってばかりの非力な少年として描かれている。
そこに加えて、大人に媚びることのない自我の強さを押し出すことにより、ありのままの子供らしさを追及している。
そこには高畑氏が「良い子」に描きすぎたと語る『アルプスの少女ハイジ』の反省があり、本作はよりリアリズムに徹する形となったのだ。
こうした子供像の描き方は後の監督作『赤毛のアン』でも活かされ、高い評価を得た。
また、スタジオジブリ設立後に高畑氏が手掛けた最初の監督作『火垂るの墓』では、そこで描かれる「主人公たる資格の無い主人公」のはしりとして、本作のマルコを挙げている。
116無念Nameとしあき25/12/12(金)17:44:31No.1372535568+
マルコが作中に出会う人物たちには、一見すると善人や悪人のように見える人物がいる。
しかし、各々が貧困や移民の問題などといった社会の暗部を背景とした事情を抱えており、勧善懲悪もののように善悪に典型化されてるという訳ではない。
善人のように見えてマルコを失望させるものもいれば、根っからの悪人もいないのだ。
そして、マルコはそうした周囲の事情に巻き込まれながら、母と再会できる日までひたすらに苦悶の道を歩んでいく。
いわば「巻き込まれ型」の主人公として、子供らしく、その非力さが強調され、厳しい現実に曝されていくのだ。
117無念Nameとしあき25/12/12(金)17:45:06No.1372535691+
本作はこのような形で、人の多様な面を写した「ありのまま」の人情劇が描かれている。
ありのままの人間を描くことは、ありのままの生活描写を描くことにも繋がることである。
それゆえに、本作は旅ものでありながら、ある意味では「名作ものアニメ」の王道中の王道を行く作品だと言えるのだ。
高畑氏が以前に監督した『ハイジ』と比較しても、「人の在り方」というのがより現実味あるものとして描かれたことからもそれが言えるだろう。
こうした本作の作風は、第二次大戦後に隆盛したイタリア映画の新潮流であるネオレアリズモ映画の影響を受けている。
これは社会の現実をドキュメンタリー映画かのようにして客観的に見つめた描写に特徴を持つものだ。
この「現実」と「客観的」という2つのワードは、本作を含めて高畑氏の監督作品における重要な柱となっており、後の監督作である『赤毛のアン』においても受け継がれていった。
118無念Nameとしあき25/12/12(金)17:45:38No.1372535779+
キャラデザと作監には小田部羊一氏を、レイアウトには宮崎駿氏が起用された。
高畑氏と共に『アルプスの少女ハイジ』を手掛けた名トリオである。
東映動画の出身でもある彼らはそこで、長編アニメ『太陽の王子ホルスの大冒険』《※》の制作に携わっていたことがたった。
本作ではその『ホルス』の縁をもとに、プロデューサーの中島順三氏が『ホルス』脚本家であった深沢一夫氏を本作の脚本家として起用したという経緯がある。

《※同作は深沢一夫氏がアイヌの民族叙事詩を基に人形劇用に書き下ろした脚本「チキサニの上に太陽を」を原作としたものだ。
高畑氏がその著作権を買い取ろうとした際、深沢氏は原作のみを売ることに戸惑ったため、深沢氏自身も脚本として『ホルス』の制作に参加することになったという。》
119無念Nameとしあき25/12/12(金)17:46:18No.1372535898そうだねx1
スレッドを立てた人によって削除されました
誰も読んでないよ?
120無念Nameとしあき25/12/12(金)17:46:32No.1372535940+
深沢氏の脚本は高畑氏との協議によって練り上げられたもので、それが本作の作風を決定づけるものとなった。
深沢脚本の特徴はナレーションや台詞の多用に頼らず、ひたすらに登場人物の感情描写に訴えたことにある。
それによって静的な印象を持ったその脚本は、日常パートにおいてはドキュメンタリーを、旅パートにおいてはロードムービーを彷彿させるものなった。
更に、そうしたイメージに彩りを持たせたのが、本作に多数登場する貧しい人間達の存在である。
その描写には横浜の下町育ちであった深沢氏の経験が活かされており、本人が自信を持って描いたと語っている。
また、深沢氏はマルコの家庭背景や旅芸人のペッピーノ一座の設定にも携わっており《※》、どちらも本作の物語では重要な要素となっている。
それほどまでに深沢氏が本作へ与えた影響は大きかったのだ。

《※ ペッピーノ一座については深沢氏の人形劇団時代の経験も活かされている。》
121無念Nameとしあき25/12/12(金)17:48:41No.1372536322+
『三千里』は『ハイジ』と違って、どこか影があり、辛気くさいとも思えてしまう作品だ。
『ハイジ』では高畑氏と宮崎氏が最も歩み寄った作品であると
>No.1372532442
にて説明したが、本作はリアリズム志向の強い高畑氏の色がかなり濃く現れた内容となった。
その色の違いはスタジオジブリにおける両者の監督作品を見比べても直感的に分かることだろう。
しかし、そんな本作の作品世界を語る上で忘れてはならないのが「美術設定」であり、背景画においてその骨格を作っている宮崎氏の「レイアウト」という職掌である。
本作には宮崎氏が好む『ハイジ』程の躍動感こそあまり無かったが、果たした役割は『ハイジ』同様に大きかった。
そのレイアウトを基に椋尾篁氏によって背景画が描かれているのだが、宮崎氏と椋尾氏によって生み出された空間には『ハイジ』には無かった新しい魅力があったのだ。
122無念Nameとしあき25/12/12(金)17:49:22No.1372536433+
日常パートではジェノバの幅狭い下町が描かれ、垂直に広がる密集とした空間に特徴がある。
そこでは下町に生きる人々の表情が前面に押し出されており、活気さや陰鬱さといった奥行きを持った街の表情をも見せている。
これも先述した通り、 舞台そのものにスポットを当てることで成り立つネオレアリズモ映画の影響を受けている。
後にこうした「背景の人々」の描写はジブリ作品においても受け継がれることになる。
また、日常パートには室内描写が非常に多い。
そのため、街並みと同じく難度の高い陰影の計算が必要となるのだ。
宮崎氏による立体描写と椋尾氏による陰影の付け方に特に注目したい所である。
123無念Nameとしあき25/12/12(金)17:49:52No.1372536528+
旅パートではアルゼンチンの平原と並列とした街並みが広がる旧植民地の都市が描かれ、水平に広がる散在とした空間に特徴がある。
平坦な土地ながらも、そこではマルコの背丈に合わせな低いアングルのレイアウトが多く描かれており、威圧感を得るものとなった。
そうすることにより、世界の大きさに対するマルコという非力な小さな存在を視聴者は直感的に捉えることができるのだ。
また、そこに漂う時の流れは椋尾氏の背景画による陰影と色の使い分けによって巧みに表現されている。
『ハイジ』の制作に初めて導入されたレイアウトシステムだが、本作によってその可能性は更に拡がったと言える。
『母をたずねて三千里』はアニメ作品に与えるレイアウトの影響力というものを改めて再認識するものとなった作品であったのだ。
124無念Nameとしあき25/12/12(金)17:53:04No.1372537107そうだねx1
スレッドを立てた人によって削除されました
無料の電子書籍にするのもmayに貼るのも変わんねーってことか
125無念Nameとしあき25/12/12(金)17:55:37No.1372537610+
>削除された記事が 9 件あります.
まで読んだ
126無念Nameとしあき25/12/12(金)18:43:16No.1372547228+
>スレッドを立てた人によって削除されました
>誰も読んでないよ?
うせやろ!?
127無念Nameとしあき25/12/12(金)18:50:21No.1372548782+
自分でスレ爆破したの?

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